事業収支計画はシビアに考える

 健全な事業収支計画を立てることは、金融機関からの信頼を勝ち取り、
融資を引き出すためにとても大切なものです。今回は事業収支計画を作った後に、
それがはたして融資を引き出すに足るものであるかどうか、チェックすべきポイントを挙げていきます。

 大切なことは、事業収支計画は決して希望観測的に計画するべきものではなく、
家賃設定、空室率、金利設定などの数値を極めて固い数値で設定して
リスクの許容範囲を厳しく見ていくことです。

 賃貸経営を成功に導くためには、キャッシュフローがカギを握っています。
銀行の融資担当者もキャッシュフローの数字を見て、返済能力の判断材料とします。
そのため、事業収支計画においてしっかりとした数値を提示することができなければ、
融資を受けることはできません。したがって、融資担当者はキャッシュフローの数字を
非常にシビアに見るため、事業収支計画を作るこちら側としても、キャッシュフローを算出するときには
飽くまで厳しく考えていく必要があります。

 特に自己資金の割合や減価償却の仕方の違いによって生まれるキャッシュフローの変化、
デッドクロスが訪れる時期の違い、青色申告による損失の繰越控除が適用される期間、
どの程度まで金利や空室率の上昇に耐えられるかなどをシビアに見ていく必要があるでしょう。
キャッシュフローの検証ソフトなども利用しながら様々なケースを確認し、
キャッシュフローが最大に得られる組み合わせを検討していく必要があります。
同時に、はたしてそのキャッシュフローが最大に得られると判断したものは、
自分の投資スタイルに適合しているかどうかも見極めることが大切です。

 それでは、数々のチェックポイントを見ていきましょう。

必要経費に漏れはないか?

 必要経費とは、物件の取得そのものにかかる取得費用以外にかかる費用のことです。
具体的には登録免許税、不動産取得税、期中金利、印紙税、司法書士手数料などであり、
これらの必要経費に漏れがあれば、融資担当者からは事業収支計画が甘いと見られてしまう可能性が高いです。
したがって、事業収支計画を立てたら、まずは必要経費に漏れがないことを入念にチェックしていきます。

物件価格のうち建物価格の割合はどうか?

 物件価格の内訳は土地の価格と建物の価格に分けられますが、この内訳はどうなっているでしょうか。
もし建物価格の割合が大きい場合には、消費税還付や減価償却に有利になります。
また、売買契約書や重要事項説明書の中に建物価格と土地価格の内訳が
記載されているかどうかを確認しましょう。
通常は物件価格における土地価格と建物価格の割合はそれぞれの固定資産税評価額に基づいて算出されますが、
もし売買契約書や重要事項説明書の中で内訳が明記されていたならば、
そちらの内訳が優先されます。したがって、内訳が明記されることによって
建物価格の割合が大きくなることが証明されて減価償却等の際に有利になると考えられるならば、
土地価格と建物価格を分けて明記できるかどうかを不動産会社に確認しましょう。
一つの裏技として売却を検討している場合はマンション査定のコツ等の簡易ツールを活用し現状お持ちの不動産価格を知っておくのも良いかと思います。

建物価格に対する消費税還付

 売買契約書において、建物価格を明記したうえで「消費税込」と表示することができれば、
建物にかかる消費税の還付を受けることができます。消費税還付を受ける場合には、
その旨の表示が可能であるかどうかを確認しましょう。

建物の減価償却の方法を再確認する

 中古物件の償却年数を正しく計算するためには、償却の割合は建物を定額法で7割、
設備を定率法で3割としてシミュレーションする必要があります。
作成した事業収支計画では、この割合で正しくシミュレーションがされているかどうかを
再度確認してください。

チェックポイントはまだまだありますが、続きは次のページで考えてみましょう。